価値の高い切手趣味週間
2023年03月21日
切手趣味週間に発売された切手で価値があるのは次のとおりです。
「見返り美人」菱川師宣(1948年)
「見返り美人」は1948年に初めて発行された「切手趣味の週間」の記念切手シートです。発行部数が少ないため、バラの状態でも高く買い取ってもらえる可能性があります。
1948年の「見返り美人」と1949年の「月に雁」は縦が6.7cm、横が3cmとサイズが大きいのも特徴です。印刷の状態に色の濃淡に差があり、濃淡の差があるものも高額買取の対象となります。
「月に雁」歌川広重(1949年)
1949年に発売された歌川広重の「月に雁」は、市場に流通しているものが少ないため希少価値が高いです。5円切手が5枚つづられたシートで、人物画でないという点もめずらしいです。
歌川広重の浮世絵は、西洋の画家にも多大な影響を与えているため非常に人気がありますが、歌川広重の絵が切手趣味週間の絵柄として採用されたのはこの1回だけです。
そのため、買取価格が高く、バラ売りでも高く買い取ってもらえるでしょう。
「法隆寺観音菩薩像」(1954年)
額面10円の普通切手が10枚綴りになった切手シートで、6万部しか発行されませんでした。切手シートの状態だと高額買取の対象です。ただし普通切手のため、バラの状態だと買取価格が抑えられる可能性もあります。
「ポッピンを吹く娘」(1955年)
1948年の「見返り美人」や1949年の「月に雁」と比べると発行部数が多く、希少価値は下がるのですが、1956年の「市川蝦蔵」と合わせて「記念切手の四天王」と呼ばれるほど人気の高い絵柄です。
発売から60年以上が経過していることもあり、切手シートの状態だと高額で買い取ってもらえる可能性が高いです。
喜多川歌麿の美人画は絵柄としても人気が高く、1983年にも「台所美人」が切手趣味週間の記念切手シートに採用されました。
大仏航空切手(1953年発行)
最後の航空切手となったのが、大仏航空切手です。鎌倉のものと見られる大仏のはるか上空を飛行機が飛んでいて、遠く富士山の影が映っているデザインです。
大仏航空切手には4種類の額面があり、70円が赤、80円が青、115円が黄緑、145円が深緑という色分けになっていました。
航空切手としては最新のものであるだけに、家庭にある切手帳の中などに保存されている可能性が考えられます。
「市川蝦蔵」東洲斎写楽(1956年)
東洲斎写楽の「市川蝦蔵(市川蝦蔵の竹村定之進)」は人気が高く、2022年の切手趣味週間の絵柄にも再度採用されました。1956年の「市川蝦蔵」の額面は10円でした。
切手シートの状態ならもちろんのこと、バラの状態でも「大蔵省印刷局製造」の銘版が残っているものだと高額買取の対象となります。
「湖畔」黒田清輝(1967年)
箱根の芦ノ湖をバックに、黒田清輝の妻・照子夫人を淡い色彩で描いた作品です。これまでの日本画と画風が異なり、奥行きが色の濃淡によって鮮明に表現されているのが特徴です。
時間が経過していることや洋画であることから、高額買取が期待されます。
「阿波踊」北野恒富(1989年)/「星を見る女性」太田聴雨(1990年)※ガッターシート
ガッターとは、10枚綴りの切手シートと切手シートの間の、空白部分のことで、ガッターをはさんだ20枚の切手シートをガッターシートと言います。
1989年「阿波踊」そして1990年の「星を見る女性」は、このガッター部分に「PHILLA NIPPON ’91」という文字と日の丸が描かれています。
これは1991年の「国際切手展」を記念したもの。通常白いガッター部分にロゴマークが描かれているため、高額買取の対象です。
「龍虎図屏風」など4種類(2010年)
橋本雅邦の「龍虎図屏風」「花鳥図」、張善孖の「虎」の4種類の絵がつづられた切手シートで、シートの表面が金色です。
日本人画家の絵だけでなく中国人画家の絵が描かれていることや、人物画でないというところからも買取価格が高くなる傾向にあります。