切手趣味週間の記念切手で高額買取対象は?|切手買取コラム

2022年07月15日

切手趣味週間買取

昭和40年から50年代にかけて切手収集がブームとなりました。遺品整理や片付けなどをしているときに、大量の切手が見つかるケースもあるでしょう。

もちろん額面通りの切手として、郵便を出す際に使えますが、中には額面以上の金額で買い取ってもらえるものもあります。

この項目では「切手趣味週間」に発売された記念切手や高額買取してもらえるものを説明していきます。

そもそも切手趣味週間とは?

切手趣味週間は、郵政記念日である4月20日を含む1週間のことで、切手の文化的価値の周知や切手収集の趣味を促進する目的で行われています。

切手趣味週間は、当時の逓信省が1947年に「切手趣味の週間」として始めました。「切手趣味週間」は当初11月になっていましたが、1958年から10月に「国際文通週間」が始まったため、1958年以降は4月になりました。

この期間には、例年記念切手シートが発売されています。2022年の切手趣味週間には、喜多川歌麿の「ポッピンを吹く娘」、東洲斎写楽の「市川蝦蔵」、鈴木春信の「手鞠つき」の3種類が1枚になったシートが発売されました。

いずれも1950年代の切手趣味週間に発売された記念切手の絵柄で、84円切手が10枚で840円です。

切手趣味週間に発売された記念切手

切手趣味週間の記念切手シートの絵柄は江戸時代の浮世絵が多く、1959年までは東洲斎写楽の「市川蝦蔵」や鈴木春信の「手鞠つき」などの浮世絵が選ばれました。

1960年には鎌倉時代に描かれたとされる『三十六歌仙絵巻』の「伊勢」が選ばれ、1964年には平安時代末期に成立した『源氏物語絵巻』の「宿木」が採用されています。

1965年以降は近代画が採用されることも増え、1965年の絵柄は明治期から昭和期にかけて活躍した日本画家・上村松園の「序の舞」が採用されました。

上村松園は1948年に初めて女性で文化勲章を受けた人で、女性が描いた絵柄が採用されたのもこれが初めてです。

その後、1966年には藤島武二の「蝶」、1967年には黒田清輝の「湖畔」と、日本人画家の描いた洋画も採用されるようになりました。切手趣味週間に発売される記念切手シートの絵柄は、原則、日本の画家が描いた人物画が多いのが特徴です。

切手趣味週間の記念切手シートの絵柄は日本の画家の絵が選ばれていますが、2009年には于非闇「牡丹蜂雀」と任伯年「牡丹」、2010年には張善孖の「虎」と、中国の画家の絵も採用されています。これは「中国2009世界切手展」記念を兼ねて、日本人画家の絵と一緒に1枚のシートに収められています。

特別な記念切手シート

1995年に発売された金島桂華の「画室の客」があります。この年の1月に阪神淡路大震災があったため、この年は20円分の寄付金付きシートとなっています。

郵便創業140周年を迎えた2011年には豊原国周の「郵便ノ使音吉」、梅堂国政の「開化幼早学門」、三代広重の「東京開化名所 四日市郵便役所」と、郵便にまつわる絵柄が採用されました。

2021年の郵便創業150周年の年にも柴田真哉の「郵便取扱の図」、久保田米僊の「郵便現業絵巻」と、郵便にまつわる絵柄となっています。

切手趣味週間の切手で価値があるもの

切手趣味週間に発売された切手で価値があるのは次のとおりです。

「見返り美人」菱川師宣(1948年)

「見返り美人」は1948年に初めて発行された「切手趣味の週間」の記念切手シートです。発行部数が少ないため、バラの状態でも高く買い取ってもらえる可能性があります。

1948年の「見返り美人」と1949年の「月に雁」は縦が6.7cm、横が3cmとサイズが大きいのも特徴です。印刷の状態に色の濃淡に差があり、濃淡の差があるものも高額買取の対象となります。

「月に雁」歌川広重(1949年)

1949年に発売された歌川広重の「月に雁」は、市場に流通しているものが少ないため希少価値が高いです。5円切手が5枚つづられたシートで、人物画でないという点もめずらしいです。

歌川広重の浮世絵は、西洋の画家にも多大な影響を与えているため非常に人気がありますが、歌川広重の絵が切手趣味週間の絵柄として採用されたのはこの1回だけです。

そのため、買取価格が高く、バラ売りでも高く買い取ってもらえるでしょう。

「法隆寺観音菩薩像」(1954年)

額面10円の普通切手が10枚綴りになった切手シートで、6万部しか発行されませんでした。切手シートの状態だと高額買取の対象です。ただし普通切手のため、バラの状態だと買取価格が抑えられる可能性もあります。

「ポッピンを吹く娘」(1955年)

1948年の「見返り美人」や1949年の「月に雁」と比べると発行部数が多く、希少価値は下がるのですが、1956年の「市川蝦蔵」と合わせて「記念切手の四天王」と呼ばれるほど人気の高い絵柄です。

発売から60年以上が経過していることもあり、切手シートの状態だと高額で買い取ってもらえる可能性が高いです。喜多川歌麿の美人画は絵柄としても人気が高く、1983年にも「台所美人」が切手趣味週間の記念切手シートに採用されました。

大仏航空切手(1953年発行)

最後の航空切手となったのが、大仏航空切手です。鎌倉のものと見られる大仏のはるか上空を飛行機が飛んでいて、遠く富士山の影が映っているデザインです。

大仏航空切手には4種類の額面があり、70円が赤、80円が青、115円が黄緑、145円が深緑という色分けになっていました。航空切手としては最新のものであるだけに、家庭にある切手帳の中などに保存されている可能性が考えられます。

「市川蝦蔵」東洲斎写楽(1956年)

東洲斎写楽の「市川蝦蔵(市川蝦蔵の竹村定之進)」は人気が高く、2022年の切手趣味週間の絵柄にも再度採用されました。1956年の「市川蝦蔵」の額面は10円でした。

切手シートの状態ならもちろんのこと、バラの状態でも「大蔵省印刷局製造」の銘版が残っているものだと高額買取の対象となります。

「湖畔」黒田清輝(1967年)

箱根の芦ノ湖をバックに、黒田清輝の妻・照子夫人を淡い色彩で描いた作品です。これまでの日本画と画風が異なり、奥行きが色の濃淡によって鮮明に表現されているのが特徴です。時間が経過していることや洋画であることから、高額買取が期待されます。

「阿波踊」北野恒富(1989年)/「星を見る女性」太田聴雨(1990年)※ガッターシート

ガッターとは、10枚綴りの切手シートと切手シートの間の、空白部分のことで、ガッターをはさんだ20枚の切手シートをガッターシートと言います。

1989年「阿波踊」そして1990年の「星を見る女性」は、このガッター部分に「PHILLA NIPPON ’91」という文字と日の丸が描かれています。

これは1991年の「国際切手展」を記念したもの。通常白いガッター部分にロゴマークが描かれているため、高額買取の対象です。

「龍虎図屏風」など4種類(2010年)

橋本雅邦の「龍虎図屏風」「花鳥図」、張善孖の「虎」の4種類の絵がつづられた切手シートで、シートの表面が金色です。

日本人画家の絵だけでなく中国人画家の絵が描かれていることや、人物画でないというところからも買取価格が高くなる傾向にあります。

時間が経過しているものや状態のよいものは価値がある?

切手趣味週間の切手は時間が経過しているものが高額買取の対象となります。

特に1948年の「見返り美人」や1949年の「月に雁」は希少価値が高く、バラの状態でも高額で買い取ってもらえるでしょう。

切手趣味週間の切手は日本人画家による人物画が多いですが、それに当てはまらない2009年と2010年の切手シートも人気です。ガッターシートが残るものや銘版のあるものなど、状態がよいものも買取額が高くなる傾向があります。

出典:日本郵政グループ