軍事切手について学んでみましょう|切手買取コラム

2022年07月07日

軍事切手 買取

家の整理をしていると様々な古いものが出てくることがあります。切手などはその最たるものですが、古い品物の中には高値で取引されるものも少なくありません。

その商品が希少価値を持っており、状態が良い場合なら高額で売却することも出来るでしょう。

ここでは、切手の中でも希少性が高く高額で取引されやすい軍事切手についてご紹介していきます。

そもそも軍事切手とは?

軍事切手とは、軍から出されている郵便物の全体を把握しやすくなるために貼り付けられた切手のことを指します。月に数枚配布されることが一般的で、利用する時には封書として用いられる傾向が高いとされています。

基本的には重量便に利用されることはありませんでしたが、特例として許されることもありました。

現在はインターネットなど別の通信手段が発達したことにより、軍事切手は廃止されています。軍や自衛隊が軍事切手をわざわざ発行する意味そのものが失われたためです。

軍事切手の歴史

18世紀のヨーロッパでは、戦争に参加している将兵の手紙は特別仕立ての馬車によって運搬されていました。しかし、1831年まではこの仕組みは制度として確立していませんでした。

1831年に軍事郵便が制度として確立すると、戦争中の時期以外でも将兵の間で郵便を出すことが可能になりました。軍事切手はその手紙が軍事郵便として出されたことを示すために生み出されたものです。

軍事切手は当時使用されていた普通切手に、軍事郵便を意味する文字を加刷することによって作られました。このスタイルの軍事切手はフランスや日本でも取り入れられましたが、加刷ではなく軍事郵便を意味する表記をデザインした切手を新たに製造する国もあります。

日本の軍事切手

日本で軍事郵便制度が始まったのは、1894年の日清戦争からです。

最初の軍事切手が生まれたのはそれより後で、1910年からになります。1910年までは将兵は郵便物をいくらでも無料で出すことが出来ましたが、政府は軍事切手を配布することによってその分だけ無料で郵便物を出せるようにしました。

軍事切手は無料で、軍事郵便を利用できる量を計るために生み出されました。軍事切手によって出せる数を管理するやり方は、軍部の力が強くなった昭和初期以降は有名無実化して自然に消滅していきました。

軍事切手の希少性

軍事切手は郵便局で一般に販売されることはなかったため、市場に出回ることはありませんでした。

そのため、現存している総数も少なく、高値で取引されることも少なくありません。ちなみに、軍事切手の利用が減ってきたのは第二次世界大戦の後からです。

フランスが1964年に発行してからは新たに製造されることはなくなりました。

軍事切手にはどのようなものがある?

軍事切手は製造された時期によってその名称と価値が変わってきます。せっかく価値があるものを持っていても、知識がなければ判断ができません。ここでは、軍事切手の種類を紹介していきます。正しい知識を得ることで、取引で損をしないようにしましょう。

第一次昭和切手

昭和切手は発行された日付によって第一次から第三次昭和切手までが存在します。第一次昭和切手は、その中で1937年から1941年に発行されたもののことです。

第一次昭和切手が発行されたのは、1937年に郵便料金が値上がりしたことがきっかけでした。その図柄のバリエーションは多彩で、歴史上の人物や有名人の肖像をはじめ日本の名所や神社仏閣が描かれています。

軍隊の日の切手

軍隊の日の切手は、ドイツで軍隊の日と戦没者慰霊に合わせて発行されていた切手の名称です。

軍隊の日の切手の図柄は12種類あり、その中には砲兵隊の姿を描いたものや急降下爆撃の様子を描いたもの、落下傘部隊が降下していく様子をとらえたものなどがあります。

このシリーズの切手は日本ではほとんど出回っていませんので、品質の良いものなら高額で買い取ってもらえることがあります。この種類の切手は1つであっても高値で取引されていますが、12種類全て揃えている場合ならば更に高額で売れるでしょう。

菊切手加刷軍事切手

菊切手加刷軍事切手はその図柄の特徴からそう呼ばれていますが、正式な名称ではありません。この切手の特徴は真ん中に菊の文様が入っており、さらにその上に軍事用と加刷されています。

この切手は1910年に発行されたもので、日本軍の中で使用されていました。菊切手加刷軍事切手は現存しているものがほぼない切手の1つとして知られています。

そのため、1枚でも高額で取引される可能性が高いです。菊切手自体の額面は15種類ありますが、その中で軍事切手として活用されたものは1種類だけになります。

軍事切手に価値が高いものはある?

軍事切手の中にも高く買取されているものとそうでないものが存在します。なぜ軍事切手が高額で取引されるのかというと、軍事切手は戦争中に発行されたものが多く、現存数が少ない傾向があるからです。

使われていた場所が限定されているものは、さらに価値が上がります。状態の良い軍事切手なら、より高額で取引することができるでしょう。ここでは、高額で買取されている軍事切手についてご紹介していきます。

青島軍事切手

青島軍事切手は、1921年に臨時で発行されていた軍事切手です。当時日本の領土であった山東半島の青島郵便局から発行されていました。

この切手が高額で取引されている理由は、通常軍事切手は日本で発行されるものですが、この切手は緊急時に中国で発行されました。平常に戻ったことで青島軍事切手の利用は停止されたため、発行も打ち切られました。

その結果、他の軍事切手よりも枚数が少ない上、未使用のものが多く残ったことで高値で取引されています。

矢野切手

矢野切手は日本軍の占領下にあったビルマ(ミャンマー)で臨時に発行されていました。この軍事切手の名前は、当時ビルマ郵政再建委員長だった矢野静雄氏の私印が押されていることからそう呼ばれるようになりました。

矢野切手は発行する環境ではない状態で製造されたもので、切手のサイズが揃っていないことが特徴です。数が少ないことと他にはないデザイン性が高値で取引される理由となっています。

中国軍人切手

中国軍人切手は1953年に中国の軍隊が発行した軍事切手です。この切手は中国兵が本国へと手紙を送るために使用されていました。

中国軍人切手は中央に星マークが付いており、軍の種類によってこの星の色が異なります。この切手は使用場所がはっきりしているため、高額で取引されています。また、3種類の中では空軍の切手が最も高値で取引されています。

英連邦占領軍切手

英連邦占領軍切手は、英連邦占領軍が本国に手紙を送るために1937年から発行されたものです。英連邦占領軍は、イギリス軍・オーストラリア軍・ニュージーランド軍・イギリス領インド軍の4つの軍隊から構成されています。

この軍隊の一部は第二次世界大戦後日本に駐留していました。その時期は1946年から1952年の6年間程度になりますが、その期間に発行された切手が日本で現在取引されているものになります。

この切手は全部で7種類あり、単品でも高値で買取してももらえますが、セットで査定に出せば更に高額で売却することが出来ます。この切手のデザインは英連邦占領軍のイニシャルが日本の国名と共に中心に刷られています。

軍事切手のまとめ

軍事切手とは、軍人が郵便物を指す際に貼り付けられた切手のことです。軍事切手が高額で取引されている理由は、市場で取引されている数が限定的だからです。

高額で取引されている軍事切手の中には、青島軍事切手のように使われていない状態のものも多くあります。

知識がなければ普通の切手と区別がつきにくいですので、損しないためにも正しい知識を身につけ、不明点があれば専門店に相談しましょう。